PayPalとFreee(フリー)の同期と登録のポイント

2018年10月11日by kaorisato

昨今、ビジネスの資金決済方法が多様化するようになり、様々な方法でお金をやり取りできるようになっています。従来の現金決済・銀行振込のほか、ネット上で資金を受け取る場合にはPayPalを通じて代金を受け取るケースは多いでしょう。またSquare・SPIKE・Stripeといったシステムのおかげで、個人事業の方でもクレジットカードでの支払ニーズに簡単に応じられるようになりました。

当事務所では、会計ソフトの1つとしてFreee(フリー)を良く利用しています。従来の会計ソフトに慣れていると、最初少しとっつきにくいソフトのように思われますが、日々アップグレードしており、未来のAIによる記帳はこうなるんだろうと感じる機能が多くあります。(私もクラウド会計ソフトが登場する前は、従前型ソフトの勘定科目コードを暗記して、記帳をしていました。)

今回は、ネットビジネスなどを行われる方で、財務をFreeeで管理している方は活用でするであろう、「PayPalとFreeeの同期」について解説致します。

 

PayPalとFreeeの同期方法

まずは、PayPalとFreeeを同期設定するところから始めます。普段からFreeeを利用している方は、すぐに設定が完了するでしょう。下記の画面が出てきたら、認証ページでログイン手続きを行います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお、PayPalの利用開始期間をどうするかで迷われる方もいるかもしれません。以前からプライベートで利用をしていて、途中から事業用として利用する場合は、事業用として利用を行う日から、取引登録を行いましょう。(その場合、プライベート資金としてPayPal内に残っている残高は、一度プライベートの銀行口座に移してゼロにしておくとシンプルです)

法人の方は、法人としてPayPalの新規アカウントを作成し、同期を行うことをおすすめ致します。

 

PayPalを通じて支払を行った場合

PayPalでは資金の受取と支払の両方が可能ですが、まずは何らかの費用の支払を行うケースを見ていきましょう。PayPalの同期を行っていると、費用を支払った際、下記のような明細が自動的に取得されます。

 

ここでポイントとなるのが、PayPalにおける支払は下記の2パターンに分かれるという点です。

A:PayPal内に資金残高があり、その資金を用いて支払を行う場合
B:PayPal内に資金残高がないため、PayPalを通じクレジットカードによる支払を行う場合(上記の画面)

 

Aの場合は、比較的シンプルです。仕訳としては、下記の通りとなります
○○費 1,000円 / PayPal 1,000円 ”支出登録”

Bの場合は、二段階で仕訳登録を行う必要があります
○○費 1,000円 / PayPal 1,000円 ”支出登録”
PayPal 1,000円 / クレジットカード(未払金)1,000円 ”口座振替登録”

 

*同期しているクレジットカード側で表示される明細は、「無視」で登録します
*あるいはクレジットカード側の明細で取引登録を行い、PayPal側の明細で「無視」とすることも可能です

 

このようにして、それぞれの取引につき、適切な勘定科目を選択し登録を行いましょう。何回か同じような取引・科目が続くと、Freeeでは科目名を自動的に推測してくれます。これは大変便利な機能で、使い続けていくとどんどん「目視→登録ボタン」だけで仕訳の登録完了ができる数が増えてきます。

 

PayPalを通じて資金の受取を行った場合

PayPalで売上代金を受け取ったような場合は、下記のような明細が表示されます。こちらは売上高などの適切な科目で登録をしましょう。

 

なおPayPalで決済代金を受け取る際には、PayPalの決済手数料が差し引かれます。この手数料は、売上高と両建てで計上すべきですので、別途支払手数料などの科目で登録を行います。なお登録の際、消費税区分に注意をしましょう。

 

まとめ

PayPalはとても便利な決済方法で、当事務所でも海外のお客様と取引を行う最は頻繁に利用しております。ただし取引登録に関しては、少しテクニカルな面がありますので、留意が必要です。PayPal口座に資金残高がないケースでは、クレジットカードでの支払となりますので、クレジットカード(未払金勘定)との口座振替登録が必要になります。

なおFreeeにはAIが自動で取引を記憶する機能があるため、こういったケースでも取引を自動的に学習し、段々とオートマチックに処理を進めていけるようになるのは大変便利だと思います。

当事務所では、帳簿作成に関して、基本的にご自身(社内)で経理をしていただくことをおすすめしております。資金移動と財務数値の関連は、やはり手を動かすことで自然に感覚が身に付くという利点があるからです。私は税理士として、「数字がぴたっと一致する際に、ゲームをクリアしたような感覚」をおぼえるのですが、経理に抵抗感を感じる方にこそ、クラウド会計ソフトを利用して「数字が出来上がっていく面白さ」を感じてほしいと個人的には思っています。

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